油圧製品と外気温

油圧製品は内蔵のオイルの温度により機械の動作に影響を及ぼします。
油圧オイルは外気温と関係があるほか、油圧工具の使用によっても温度の上昇が起こります。

外気温が高い場合
内蔵の油圧オイルの温度も上昇し、オイルの粘度が下がります。これにより、油圧力が低下し、機械の加工能力が低下します。
※油圧オイルの温度上昇は油圧工具の連続使用によってもおこります。
油圧オイルの温度に対する対策
油圧工具は直射日光の当たらない涼しい場所に置くようにし、夏期は直射日光だけでなく熱をもったアスファルトなどの地面に直接置かないように留意します。
連続使用、または外気温によりオイルの温度が上昇し、粘度が低下した場合はしばらく涼しい場所で油圧工具とオイルを冷まします。
油圧オイルが冷えて固くなっている冬期や寒冷地での場合は、「暖気運転」を行います。暖気運転は、無負荷状態でモーターを作動させ内蔵のオイルを温めます。これにより、ピストンの前進がスムーズになります。

警告
油圧オイルを温めるために、油圧工具を直接火にあてたり、熱源に近づけたりしないで下さい。

油圧工具の暖機運転
冬期や寒冷地で使用する場合は「暖気運転」により、内部のオイルを温める必要があります。
ここでは大まかな流れを説明します。実際の暖機運転は各機種ごとの取扱説明書を参照して下さい。
①油圧工具に材料を挟まない(無負荷の)状態にしておく。
②ロックピンを押した状態でスイッチを入れ、モーターを連続して作動させます。
③30~60秒間の無負荷運転でオイルが温まり始めます。

警告
スイッチを入れるとモーターが連動して動きますが、この時ピストンが同時に動く場合があります。絶対に可動部周辺に手や物を近づけないで下さい。
ロックピンを使用したモーターの連続駆動は連続作業のためではありません。この状態で材料の加工を行わないで下さい。
油圧量の多い機種によってはさらに長い暖気運転の必要がある場合があります。
製品により連続作動時間の上限が決められているものがあります。暖気運転の際にこの上限を超えないようにご注意ください。
暖気運転を行いすぎると、油圧オイルの温度が過度に上昇し粘度が低下します。